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マーケティングで活用するべきKPIとは?重要な理由や設定方法を徹底解説

「KPIマーケティング」という言葉は聞いたことがあるけれど、実際何から始めたら良いのか分からない…そんなマーケターの方へ。

本記事では、KPIマーケティングの基礎から実践までを網羅的に解説します。KPIとは何か、KGI/CSFとの関係性、そしてKPIマーケティングを行うメリットを理解することで、その重要性を深く認識できるでしょう。さらに、KPI設定の具体的な5つのステップを丁寧に解説。

目標設定から、KPIの選定、モニタリング、改善まで、実践的な内容を学ぶことができます。認知度向上、顧客獲得、顧客維持、売上向上など、目的別の主要KPIとその活用方法も具体例を交えて紹介。ECサイト、BtoB SaaS、飲食店といった業種別の設定事例も掲載しているので、自社に合ったKPI設定のヒントが見つかります。KPI設定で陥りやすい落とし穴とその対策も紹介することで、効果的なKPIマネジメントを実現できるでしょう。

Googleアナリティクスなどのツール活用についても触れているので、明日からすぐに実践に移せます。この記事を読み終える頃には、KPIマーケティングの全体像を掴み、自社のマーケティング活動を飛躍的に向上させるための具体的なアクションプランを立てられるはずです。

目次

KPIマーケティングとは何か

KPIマーケティングとは、ビジネス目標を達成するために重要となる主要業績評価指標(Key Performance Indicator:KPI)を設定し、その指標に基づいてマーケティング活動を計画、実行、評価、改善していく手法です。

ビジネスの成功には、様々な要素が影響しますが、限られたリソースを最大限に活用するためには、何に注力すべきかを明確にする必要があります。KPIマーケティングは、そのための指針となるKPIを設定し、データに基づいた客観的な意思決定を可能にすることで、マーケティング活動の効率化と効果最大化を実現します。

例えば、ECサイトの売上向上を最終的な目標とする場合、「コンバージョン率」「平均注文金額」「顧客生涯価値」などをKPIとして設定し、それぞれの指標を改善するための施策を実施していくのです。KPIマーケティングは、目標達成への進捗状況を可視化し、問題点の早期発見や改善策の実施を促進することで、ビジネスの成長を加速させます。

KPIとKGI/CSFとの関係

KPIを理解する上で、KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)とCSF(Critical Success Factor:重要成功要因)との関係性を理解することは不可欠です。

KGIは、ビジネスにおける最終的な目標を数値化したものです。例えば、「年間売上高1億円」や「市場シェア10%」などがKGIとして設定されます。一方、CSFは、KGIを達成するために必要な要因を指します。例えば、「顧客満足度の向上」や「ブランドイメージの強化」などがCSFとなります。

そして、KPIはCSFを達成するための具体的な行動目標を数値化したものです。例えば、「コンバージョン率2%向上」や「ウェブサイトへのアクセス数10%増加」などがKPIとして設定されます。

これらの指標は階層構造となっており、KGIを頂点に、CSF、KPIと順にブレークダウンされていきます。つまり、KPIはCSFを達成するための手段であり、CSFはKGIを達成するための手段となるのです。

指標意味
KGI最終的な目標年間売上高1億円
CSFKGI達成のための要因顧客満足度の向上
KPICSF達成のための行動目標コンバージョン率2%向上

KPI、CSF、KGIの関係性を理解することで、マーケティング活動を効果的に行うことが可能になります。KPIの設定は、CSFとKGIを達成するための具体的な行動目標を明確にするために行う必要があるのです。

KPIマーケティングのメリット

KPIマーケティングには、大きく分けて以下の3つのメリットがあります。

  1. 目標達成の効率化:KPIを設定することで、目指すべき方向が明確になり、限られたリソースを効果的に活用できます。進捗状況を数値で把握できるため、軌道修正も迅速に行えます。
  2. 問題点の早期発見:KPIの推移をモニタリングすることで、問題が発生した場合、早期に発見し、対策を講じることができます。これにより、大きな損失を未然に防ぐことが可能です。
  3. チームのモチベーション向上:KPIをチームで共有することで、共通の目標意識が醸成され、チーム全体のモチベーション向上に繋がります。また、成果を可視化することで、メンバーの貢献度を明確にし、適切な評価を行うことも可能です。

これらのメリットを享受するためには、適切なKPIを設定し、継続的にモニタリングしていくことが重要です。KPIマーケティングは、適切に運用することで、ビジネスの成長を大きく加速させる強力なツールとなるでしょう。

なぜマーケティングにKPIが必要なのか

マーケティング活動において、KPIを設定し活用することは、目標達成のための羅針盤を持つようなものです。闇雲に施策を実行するのではなく、KPIという明確な指標に基づいて進むことで、効果的かつ効率的に目標達成へと近づけます。KPIを設定する重要性は、大きく以下の3つの点に集約されます。

目標達成のための道標

KPIは、目指すべき目標への道筋を明確化し、進捗状況を測るための道標となります。目標を数値化することで、現状と目標とのギャップを把握し、具体的なアクションプランを策定できます。例えば、Webサイトへのアクセス数を増やすという漠然とした目標ではなく、「3ヶ月後に月間アクセス数を現状の10,000PVから15,000PVに増加させる」という具体的なKPIを設定することで、目標達成に向けた具体的な施策(SEO対策の強化、コンテンツマーケティングの実施など)を立案しやすくなります。また、KPIを定期的にモニタリングすることで、進捗状況を把握し、必要に応じて軌道修正を行うことも可能です。

現状把握と課題発見

KPIを設定し計測することで、マーケティング活動の現状を客観的に把握し、課題を明確にすることができます。データに基づいた現状分析は、現状の強みと弱みを理解し、改善すべきポイントを特定するために不可欠です。例えば、コンバージョン率が低いという課題が明らかになれば、ランディングページの改善やオファーの見直しといった具体的な対策を講じることができます。また、KPIの推移を分析することで、季節変動や市場トレンドといった外部要因の影響も把握しやすくなります。

PDCAサイクルの効率化

KPIは、PDCAサイクルを効果的に回すための重要なツールです。計画(Plan)段階で設定したKPIに基づいて施策を実行(Do)し、その結果を評価(Check)することで、改善策(Action)を導き出すことができます。KPIを適切に設定することで、PDCAサイクルをスムーズに回し、マーケティング活動の継続的な改善を促進することができます。例えば、KPIの目標値に到達できなかった場合、その原因を分析し、改善策を検討・実施することで、次のサイクルでより良い成果を目指せます。また、KPIの計測・分析を通じて得られた知見は、今後のマーケティング戦略策定にも役立ちます。

これらの理由から、マーケティング活動においてKPIを設定することは、目標達成、現状把握、PDCAサイクルの効率化に不可欠です。KPIを適切に設定し活用することで、マーケティングROIの最大化を目指しましょう。

KPI設定のメリット具体的な効果
目標達成の道標目標への道筋を明確化し、進捗状況を把握できる
現状把握と課題発見データに基づいた現状分析で強み・弱みを理解し、改善点を特定できる
PDCAサイクルの効率化効果的なPDCAサイクルの実施で、マーケティング活動を継続的に改善できる

マーケティングKPI設定の5つのステップ

効果的なマーケティングKPIを設定するためには、体系的なアプローチが不可欠です。以下の5つのステップを踏むことで、目標達成に繋がるKPIを設定できます。

ステップ1 目標となるKGIの設定

KPIを設定する前に、まず達成したい最終的な目標であるKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)を明確に定義します。KGIは事業全体の目標と連動している必要があり、具体的かつ測定可能なものとして設定することが重要です。例えば、「売上高を前年比20%増」や「新規顧客獲得数を1000人増」といったように数値で表現します。KGIが明確でなければ、適切なKPIを設定することはできません。

ステップ2 KGI達成のためのCSFの明確化

KGIを達成するために必要な要因をCSF(Critical Success Factor:重要成功要因)として明確化します。CSFはKGIを達成するための戦略的な要素であり、「顧客満足度の向上」や「ブランド認知度の向上」、「ウェブサイトへのアクセス数増加」などが挙げられます。CSFを明確にすることで、KGIとKPIを繋ぐ架け橋となります。

ステップ3 KPIの選定

KGIとCSFを基に、具体的なKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を選定します。KPIは、CSFの達成度を測るための指標であり、測定可能かつ具体的な数値で表現される必要があります。KPIは、目標達成への進捗状況を把握するために不可欠です。

KPI選定のポイント

KPIを選定する際には、以下のポイントに留意しましょう。

  • 具体的かつ測定可能であること:数値で表現できる指標を選びましょう。
  • 目標達成に関連していること:KGIとCSFに紐づいている指標を選びましょう。
  • 現実的に達成可能なこと:高すぎる目標設定はモチベーション低下に繋がります。
  • 定期的に計測可能であること:日次、週次、月次など、定期的に計測できる指標を選びましょう。

具体的なKPIの例

CSFKPI
ウェブサイトへのアクセス数増加ページビュー数、ユニークユーザー数、セッション数、平均セッション時間
顧客満足度の向上顧客満足度スコア、ネットプロモータースコア(NPS)
ブランド認知度の向上ブランド検索ボリューム、ソーシャルメディアでのメンション数

ステップ4 目標値の設定

選定したKPIに対して、具体的な目標値を設定します。目標値は、KGIを達成するために必要なKPIの達成レベルを示すものであり、数値で表現する必要があります。目標値は、挑戦的ながらも現実的に達成可能な範囲で設定することが重要です。過去のデータや業界平均などを参考にしながら、適切な目標値を設定しましょう。

ステップ5 KPIのモニタリングと改善

設定したKPIは、定期的にモニタリングし、進捗状況を把握する必要があります。Googleアナリティクスやサーチコンソールなどのツールを活用することで、KPIの推移を可視化し、分析することができます。KPIの進捗状況が目標値に達していない場合は、その原因を分析し、改善策を講じる必要があります。また、市場の変化やビジネス環境の変化に合わせて、KPI自体を見直すことも重要です。PDCAサイクルを回し続けることで、KPIを効果的に活用し、マーケティング活動を最適化することができます。

主要なマーケティングKPI

マーケティングKPIは、ビジネス目標の達成度を測るための重要な指標です。ここでは、主要なマーケティングKPIを認知度向上、顧客獲得、顧客維持、売上向上という4つのカテゴリーに分けて解説します。

認知度向上のためのKPI

認知度向上を測るKPIは、ターゲットオーディエンスへのリーチやブランドの認知度を把握するのに役立ちます。主なKPIは以下の通りです。

インプレッション数

インプレッション数は、広告やコンテンツが表示された回数を示します。インプレッション数が多いほど、多くの人々にリーチしている可能性が高くなります。ただし、インプレッション数が多いだけでは、必ずしもビジネス目標の達成に繋がるとは限りません。 他のKPIと合わせて分析することが重要です。

リーチ数

リーチ数は、広告やコンテンツに接触したユニークユーザーの数です。インプレッション数と異なり、同じユーザーが複数回接触した場合でも、リーチ数は1とカウントされます。リーチ数は、ターゲットオーディエンスへの到達範囲を把握する上で重要な指標です。

ブランド検索ボリューム

ブランド検索ボリュームは、特定のブランド名で検索された回数を示します。このKPIは、ブランドの認知度や関心の高まりを測るのに役立ちます。 検索ボリュームの増加は、ブランド認知度の向上を示唆しています。

顧客獲得のためのKPI

顧客獲得のためのKPIは、新規顧客の獲得効率を評価するのに役立ちます。主なKPIは以下の通りです。

コンバージョン率

コンバージョン率は、ウェブサイトへの訪問者の中で、目標とする行動(例:商品購入、資料請求)を完了した人の割合です。コンバージョン率は、ウェブサイトの effectiveness を測る重要な指標です。

顧客獲得単価(CPA)

顧客獲得単価(CPA)は、新規顧客1人を獲得するためにかかったコストです。CPAを低く抑えることは、マーケティングROIの向上に繋がります。

リード獲得数

リード獲得数は、見込み顧客の情報(例:氏名、メールアドレス)を獲得した数を示します。リード獲得数は、将来の顧客獲得 potential を示す指標です。

顧客維持のためのKPI

既存顧客の維持は、新規顧客の獲得よりもコスト効率が高いとされています。顧客維持のためのKPIは、顧客ロイヤルティやLTVの向上に役立ちます。

顧客維持率

顧客維持率は、一定期間内に既存顧客を維持できた割合です。高い顧客維持率は、顧客満足度とロイヤルティの高さを示唆しています。

顧客生涯価値(LTV)

顧客生涯価値(LTV)は、1人の顧客が企業にもたらす lifetime の収益です。LTVを高めることは、長期的なビジネス成長に不可欠です。

解約率

解約率は、一定期間内にサービスや契約を解約した顧客の割合です。解約率を低く抑えることは、顧客維持に繋がります。

売上向上のためのKPI

売上向上は、ビジネスの ultimate goal の一つです。売上向上のためのKPIは、ビジネス performance を評価する上で重要な指標となります。

売上高

売上高は、一定期間内に販売した商品やサービスの total 額です。売上高は、ビジネスの規模や成長性を示す basic な指標です。

平均購買単価

平均購買単価は、1回の取引あたりの average 購入金額です。平均購買単価を高めることは、売上向上に繋がります。

リピート率

リピート率は、過去に購入した顧客が再び purchase した割合です。高いリピート率は、顧客ロイヤルティの高さを示唆しています。

KPIの種類KPI名説明
認知度向上ソーシャルメディアのフォロワー数企業のソーシャルメディアアカウントのフォロワー数。ブランド認知度やリーチの拡大を示す指標。
顧客獲得ウェブサイトからの問い合わせ数ウェブサイト経由で問い合わせてきた顧客の数。リードジェネレーションの effectiveness を測る指標。
顧客維持顧客満足度顧客が製品やサービスにどの程度満足しているかを数値化したもの。顧客ロイヤルティに影響する重要な指標。
売上向上クロスセル率既存顧客に別の商品やサービスを販売できた割合。売上向上と顧客LTV向上に貢献する指標。

これらのKPIは、マーケティング活動の effectiveness を評価し、改善するための重要な指標となります。それぞれのビジネス目標に合わせて適切なKPIを設定し、定期的にモニタリングすることが重要です。

業種別に見るKPI設定事例

業種によってビジネスモデルや顧客層が異なるため、KPI設定もそれぞれに適した形で行う必要があります。ここでは、ECサイト、BtoB SaaS、飲食店の3つの業種を例に、具体的なKPI設定事例を紹介します。

ECサイト

ECサイトでは、売上向上はもちろんのこと、顧客体験の向上やリピーターの獲得も重要なKPIとなります。以下、主要なKPIと設定例をまとめました。

KPI説明目標値設定例
コンバージョン率サイト訪問者数に対する購入者の割合。前年比+5%、業界平均3%
平均注文単価1注文あたりの平均購入金額。前年比+10%、5,000円
顧客生涯価値(LTV)1人の顧客が生涯にわたって企業にもたらす利益の合計。前年比+15%、30,000円
カート放棄率商品をカートに入れたものの、購入に至らなかった割合。前年比-10%、70%以下
リピート率一定期間内に再購入した顧客の割合。前年比+5%、20%

これらのKPIをモニタリングすることで、サイトの改善点や顧客の行動パターンを把握し、より効果的なマーケティング施策を展開することができます。 例えば、カート放棄率が高い場合は、送料無料キャンペーンや決済方法の多様化を検討するなどの対策が有効です。

BtoB SaaS

BtoB SaaSビジネスでは、顧客獲得単価(CPA)や解約率、顧客維持率などが重要なKPIとなります。継続的な収益を確保するためには、顧客との長期的な関係構築が不可欠です。

KPI説明目標値設定例
顧客獲得単価(CPA)新規顧客1人を獲得するためにかかる費用。前年比-10%、10,000円
解約率(チャーンレート)一定期間内に解約した顧客の割合。前年比-5%、5%以下
顧客維持率(リテンションレート)一定期間内に継続利用している顧客の割合。前年比+5%、95%以上
MRR (Monthly Recurring Revenue)毎月定期的に入ってくる収益。前年比+20%、1,000万円
顧客あたりの平均収益 (ARPA)1顧客あたりの平均収益。前年比+10%、5,000円

BtoB SaaSでは、無料トライアルやデモ体験を提供している場合が多く、それらのコンバージョン率も重要なKPIとなります。 また、顧客からのフィードバックを収集し、製品改善に役立てることも重要です。

飲食店

飲食店では、来店客数や客単価、リピート率などが重要なKPIとなります。顧客満足度を高め、再来店を促進するための施策が重要です。

KPI説明目標値設定例
来店客数一定期間内に来店した顧客数。前年比+10%、1,000人
客単価1人あたりの平均消費金額。前年比+5%、3,000円
リピート率一定期間内に再来店した顧客の割合。前年比+10%、30%
テーブル回転率一定期間内にテーブルが何回利用されたかを示す指標。ランチ:3回転、ディナー:2回転
顧客満足度顧客の満足度を示す指標。アンケートや口コミサイトの評価などを活用。4.0以上(5段階評価)

飲食店では、オンライン予約数やSNSのフォロワー数なども、集客状況を把握するための重要なKPIとなります。 また、顧客属性に合わせたキャンペーンを実施することで、特定の顧客層へのアプローチを強化することも可能です。

これらの事例を参考に、自社のビジネスモデルや目標に合ったKPIを設定し、効果的なマーケティング活動を行いましょう。KPIを設定する際には、計測可能性、達成可能性、関連性などを考慮することが重要です。

KPIマーケティングで陥りやすい落とし穴と対策

KPIマーケティングを成功させるためには、KPIの設定や運用において陥りやすい落とし穴を理解し、適切な対策を講じる必要があります。ここでは、よくある失敗例と、その解決策を具体的に解説します。

KPIが多すぎる/少なすぎる

適切なKPIの数は、事業規模やフェーズによって異なりますが、多すぎても少なすぎても効果的なマーケティング活動は実現できません。KPIが多すぎると、それぞれの指標への対応が分散し、重要な指標を見失ってしまう可能性があります。反対にKPIが少なすぎると、マーケティング活動の全体像を把握できず、改善すべきポイントを見逃してしまう可能性があります。

KPIが多すぎる場合の対策

KPIが多すぎる場合は、KGIとの関連性を再評価し、本当に重要なKPIに絞り込む必要があります。KGI達成への影響度が低いKPIは思い切って削除し、優先順位の高いKPIに集中することで、効果的なPDCAサイクルを回すことができます。

KPIが少なすぎる場合の対策

KPIが少なすぎる場合は、マーケティングファネルの各段階を考慮し、必要なKPIを追加していく必要があります。例えば、認知度、顧客獲得、顧客維持、売上向上など、各段階における適切なKPIを設定することで、マーケティング活動全体を最適化することができます。

KPIが適切に計測できていない

KPIを設定しても、正しく計測できていなければ意味がありません。計測方法が間違っていたり、データの取得方法に問題があったりすると、誤った分析結果に基づいて意思決定をしてしまう可能性があります。計測ツールの設定ミスや、担当者による人為的なミスも、計測の精度を低下させる要因となります。

KPIが適切に計測できていない場合の対策

KPIを適切に計測するためには、計測方法を明確に定義し、担当者間で共有することが重要です。また、計測ツールを適切に設定し、定期的にデータの精度を確認する必要があります。Googleアナリティクスなどのツールを活用し、自動でデータ収集・分析を行うことで、人為的なミスを減らすことができます。

対策詳細
計測ツールの活用Googleアナリティクス、サーチコンソールなど、目的に合ったツールを選定し、正しく設定する。
データの定期的な確認異常値や不整合がないか、定期的にデータを確認し、問題があれば原因を究明する。
担当者間の情報共有KPIの定義や計測方法を明確にドキュメント化し、担当者間で共有することで、認識のずれを防ぐ。

KPIを設定しただけで満足してしまう

KPIを設定することは、マーケティング活動のスタート地点に過ぎません。KPIを設定しただけで満足してしまい、その後の分析や改善がお疎かになると、KPIを設定した意味がなくなってしまいます。KPIは定期的に見直し、必要に応じて変更していく必要があります。市場の変化やビジネスの成長に合わせてKPIを最適化することで、常に効果的なマーケティング活動を実現することができます。

KPIを設定しただけで満足してしまう場合の対策

KPIを設定したら、定期的なモニタリングと改善を行う習慣を付けましょう。PDCAサイクルを意識し、KPIの進捗状況を分析し、改善策を実行し、その結果を評価することで、継続的な改善を図ることができます。また、KPI達成のための具体的なアクションプランを策定し、実行することで、より効果的な改善につなげることができます。

対策詳細
定期的なモニタリング日次、週次、月次など、適切な頻度でKPIの進捗状況を確認する。
PDCAサイクルの実践KPIの分析結果に基づいて改善策を実行し、その結果を評価し、次のアクションに繋げる。
アクションプランの策定KPI達成のために必要な具体的なアクションを計画し、実行する。

これらの落とし穴を避け、適切なKPI設定と運用を行うことで、KPIマーケティングを成功させ、ビジネスの成長に繋げましょう。

KPIを可視化し活用できるおすすめツール

KPIを設定したら、その進捗を適切にモニタリングし、分析することが重要です。KPIの可視化は、現状を把握し、課題を発見し、改善策を講じるための第一歩です。ここでは、KPIを可視化し活用できるおすすめのツールをいくつかご紹介します。

Googleアナリティクス

Googleアナリティクスは、ウェブサイトへのアクセス状況を詳細に分析できる無料ツールです。アクセス数、滞在時間、直帰率、コンバージョン率など、多様な指標を計測し、可視化できます。マーケティングKPIの多くはウェブサイトのパフォーマンスと関連しているため、Googleアナリティクスは必須ツールと言えるでしょう。

Googleアナリティクスで確認できる主要KPI

KPI説明
セッション数ウェブサイトへのアクセス数
ユーザー数ウェブサイトにアクセスしたユーザー数
ページビュー数ウェブサイト内で閲覧されたページの総数
平均セッション時間ユーザーがウェブサイトに滞在した平均時間
直帰率1ページだけ見てウェブサイトを離脱したセッションの割合
コンバージョン率設定した目標(購入、会員登録など)を達成したセッションの割合
顧客獲得単価(CPA)一人のお客様を獲得するためにかかった費用

Googleアナリティクスは、カスタムレポートを作成することで、特定のKPIに焦点を当てた分析も可能です。 目標設定に合わせて必要なデータを見やすく表示し、効率的な分析を実現できます。また、Googleアナリティクス4では、イベントベースの計測が可能になり、ウェブサイトだけでなくアプリのデータも統合的に分析できるようになりました。

サーチコンソール

サーチコンソールは、Google検索におけるウェブサイトのパフォーマンスを分析できる無料ツールです。Google検索での表示回数(インプレッション数)、クリック数、クリック率(CTR)、平均掲載順位などを確認できます。SEO対策の効果測定に欠かせないツールであり、認知度向上に関するKPIを把握するのに役立ちます。

サーチコンソールで確認できる主要KPI

KPI説明
インプレッション数Google検索結果にウェブサイトが表示された回数
クリック数Google検索結果からウェブサイトにアクセスされた回数
クリック率(CTR)インプレッション数に対するクリック数の割合
平均掲載順位Google検索結果におけるウェブサイトの平均掲載順位

サーチコンソールは、特定のキーワードでの検索パフォーマンスを分析できるため、コンテンツSEOの効果測定に非常に有効です。 また、ウェブサイトの技術的な問題(クロールエラー、インデックスエラーなど)も検出できるため、SEO対策全体を最適化するためにも活用できます。

その他のツール

上記以外にも、様々なツールを組み合わせて活用することで、より多角的な分析が可能になります。例えば、CRMツールは顧客データを管理し、顧客生涯価値(LTV)や解約率などのKPIを分析するのに役立ちます。また、BIツールは様々なデータソースから情報を集約し、ダッシュボードで可視化することで、リアルタイムなKPIモニタリングを可能にします。自社のマーケティング活動に合わせて最適なツールを選択し、KPIの可視化・分析を通じて、効果的なマーケティング戦略を展開しましょう。

まとめ

この記事では、KPIマーケティングの重要性、設定方法、そして陥りやすい落とし穴とその対策について解説しました。KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、目標達成度合いを測るための重要な指標です。KGI(Key Goal Indicator:最終的な目標)を達成するために必要なCSF(Critical Success Factor:成功要因)を数値化したものがKPIとなります。KPIを設定することで、目標達成への道筋を明確化し、現状把握や課題発見、PDCAサイクルの効率化を図ることができます。

KPIを設定する際には、KGI、CSFとの関連性を明確にすることが重要です。設定手順は、KGIの設定、CSFの明確化、KPIの選定、目標値の設定、モニタリングと改善の5つのステップで行います。業種や事業フェーズによって適切なKPIは異なるため、主要なKPIを参考にしながら自社に合ったKPIを選定しましょう。設定したKPIは適切に計測し、定期的に見直すことで、効果的なマーケティング活動を実現できます。KPIを設定しただけで満足せず、常に改善を意識することが重要です。Googleアナリティクスやサーチコンソールなどのツールを活用してKPIを可視化し、データに基づいた意思決定を行いましょう。

この記事の監修者

板垣 潤一のアバター
板垣 潤一 for,Freelance株式会社|代表取締役

スキルシェアで企業の様々な課題を解決するfor,Freelance株式会社の創業者。フリーランス・副業(複業)特化型のマッチングプラットフォームサービス「key CONNECT」を運営。副業・フリーランスを活用した組織構築を推進しており、スキルシェアを生かした「動画・映像制作サービスのkey MOVIE」「営業代行サービスのkey SALES」等の事業も展開している。

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